私の遅ればせながら始まった鉄道模型オー(O)ゲージ研究でまず
世話になったのは火縄銃研究時代からの付き合いの和田 克己氏だ。

和田さんはご存じのように真鍮工芸の第一人者だ。
主に武器兵器とその装具の細密模型の注文生産を行っている。
高額であるが、すでにもう2年先まで発注があるそうで忙しい方だ。

ブラス工芸のガトリングガン
6分の1、クランクを回すとカートを排莢する精密さ。

① ライオネル社の6主輪機関車の修理

この機関車は1950年代、ダイキャスト製
機嫌よく走っていたら、ロッドのネジが外れていたらしい、ロッドが外れ線路に絡み折れた。ロッドの修理とネジの製作をお願いした。

下は別なライオネル6主輪機関車の尾部車軸受。1950年代製
重い機関車で落としたのだろう。後部車軸がゆがんでいた、ゆがみを修正しようとしたら枠はバラバラに壊れた。真鍮で同じものを製作していただいた。飾り部分などは元より精密、綺麗に。

 

② カツミなど日本製蒸気型機関車の車体修理5点

この手の機関車は稼働良好だが、一体型の車体がほとんど場合、
歪み、凹み、剥がれ、欠落などがあり、まともな形状ではなかった。
下のタンク車は砂箱が大きく凹んでいた。

和田さんは前灯の電球を探してくれたが見つからず、稲見さんにも
聴いたが不明で、自作した。これが見事に付くので驚いた。

機関車、タンク車、3輪タンク車などの修理もしてくれ、塗装もお手の物見事なものだ。左の機関車は煙突と防煙板の支えが欠落していた。真鍮の車輪など磨きで鋳物製作ものとは思えない完成度になった。

ブラスさんの言ではこの手の機関車は車体とモーターの取り付け部が脆弱で狂いが出やすい。車体の板が薄すぎるとのことだった。
この機関車はカタログ「電関模型」によれば、
昭和30年1950代初頭、「ミカド」とある。
Bタンクロコはモーターナシで1,750-。
これより上級なテンダー付き蒸気機関車型は、
モーターナシ 2,700-
モーター付き 3,300-
完成品    4,000-と、
つまり完成品以外は組み立てキットだったようだ。組み立ての熟練度で車体の問題が出たようだ。
荷造送料が100円なので、現在の約15分の1。他の物価から推定しても、タンロコ完成品は現在の価格で4万円ほどではないか。
高価なものだ。たとえ「ジャンク」でもブラスさんの手にかかり保存、取集する価値はありそうだ。

③ チェコ製点検車の屋根を作製

静かにスムーズに走行する機関車であったが、屋根とパンタグラフが欠落してした。パンタグラフは外国製の大型のものが手に入り
屋根部分の製作をお願いした。見事なものだ。運転席から庇が張り出し、表面仕上げも。


和田さん真ん中

(この項以上)