米国でオー(O)ゲージを見て来て、米国人の列車模型の楽しみ方は
理解していたつもりだ。米国では鉄道模型、オー(O)ゲージの存在は歴史があり、大きい。現在は大分、廃れたが。
季節的には秋から冬、家族で楽しむもので、その頂点はクリスマスにある。住宅事情も鉄道模型向きだ。

広い床、伝統的な玄関に続く居間は木か絨毯の平な床だ。クリスマスツリーはそこに飾る。ツリーの下にはプレゼントが、そしてその周りをオー(O)ゲージ鉄道モデルが回わる。
現在、米国では段々に大勢の家族、広い家、クリスマスを盛大に楽しむと言う社会的習慣が薄れてきているようにも感じられるが。
鉄道模型は空気銃、スポーツ用具などと共に10歳前後の男の子へのプレゼント主要品目だった。居間には天井まで届くクリスマスツリーは11月後半から正月まで1カ月半ほど飾られ電飾がつく。
ただ、鉄道模型は高額、セットでは今でも数万円以上する。
米国の裕福な地域は国の北側に多く存在したようだ。
鉄道模型は家だけでなく、街中でもクリスマスツリーと共にあちこちで見られた。デパートのショーウィンドーなど。
電飾は外が暗い季節、ツリーをはじめどこでも目に付く。

映画「ゴッドファーザー」ドン・コルリオーネが撃たれる直前のシーンに大型デパートのウィンドーの中を模型列車が走っていた。
クリスマスと表現するためだ。1946年の話だ。
下はライオネル社1989年のカタログにあるクリスマス特別仕様セットの写真。
中級クラスの既存の車体をサンタやプレゼントでクリスマス風に拵えてもので、すでにセットを持っている家庭用に売り出したようだ。


おもちゃ、模型、スポーツ用品などの売り上げは年間の半分以上がクリスマスシーズンだから非常に一般的な商品だった。
以下のライオネル社製クリスマスセットは所有しているので、大きなレイアウトで走らせる動画を追って掲載します。


1990年代初頭の中国製 サンタの貨車は電池でジングルが鳴る。
「ウインターワンダーランド鉄道」とあり、レイアウトも雪景色と凝ったのだろう。

これは1950年代のニューヨークサックスフィフスアベニューをイメージしたシーンだ。
このように、日米のオー(O)ゲージ鉄道模型文化との差のひとつはクリスマスにあると感じた。
日本でも戦後、クリスマスの習慣はとても盛んになったが、家庭で家族で楽しむことはゲームの出現まで薄かったのではない。
10月末のハローウィンも一つのテーマであったが、鉄道模型は見たことがない。この例はオー(O)ゲージ「お化け屋敷」ホーンテッドマンション、高さ22cm、お化けがのぞき、魔女が舞い、怖い音と中で火が燃える照明がある。鉄道模型に季節的行事を加えて例のひとつか。ライオネル社製。

(この項以上)